捨てられた町
カエルが僕を見てそう言うので、僕は眉を下げた。


何も言い返すことができないのが情けない。


『カエルのストラップとの絆なんて、ギャグにしかならないよ』


とか、軽く言い返す事ができればいいのにと思う。


「ミミ、お前の持ち主の名前は?」


カエルは僕の次の言葉を期待していなかったようで、すぐに耳に向き直っていた。


「愛菜ちゃんです」


ミミの言葉に、僕の目の前は一瞬真っ白になった。
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