捨てられた町
ガタンッ!


と、突然物音が聞こえて来て僕はビクリと身を跳ねさせた。


カエルを見ると、カエルも驚いたように周囲を見回している。


「今の音、家の外からだな」


カエルの言葉に頷いて僕はカエルと共に家の外へ出た。


外に置いてあるバケツやジョウロが倒れていないか確認し、グルッと庭を歩いて回った。


が、変わった所は特に見あたらない。


「なんの音だったんだろう」


僕がそう呟いた時、足元にいたカエルが何かに気が付いたように飛び跳ねはじめた。


その後に続いていくと、カエルはそのまま軒下に入っていてしまったのだ。


「おい、そんなところ確認しなくても大丈夫だろ!?」
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