捨てられた町
ミミが言っている愛菜は僕が知っている愛菜とはかけ離れている。


愛菜が僕を好きだったなんて、そんなことは絶対にあり得ないんだ。


だって僕は愛菜に……。


そこまで思い出した瞬間、僕は勢いよく立ち上がっていた。


大きく肩で呼吸して爆発してしまいそうな自分の感情を抑え込む。


「気分が悪いから横になる」


冷たくそう言うと、僕は部屋へと戻って行ったのだった。


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