捨てられた町
僕は二本足で立って腕組みをして僕を睨み上げているカエルへ向けてそう言った。


なにやら怒っている様子だけれど、器用な仁王立ちには感心してしまいそうになる。


「お前はもう少し相手の気持ちを考えたほうがいい」


突然そう言われ、僕はキョトンとしてしまう。


どうやらカエルはミミが出て行った事が気に入らないようだ。


そしてミミが出て行った原因が僕にあると思っている。


「僕は出て行けなんて言ってない」


僕はそう言い、カエルの隣をすり抜けてキッチンへと向かった。


冷たい水道水で喉を潤す。
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