捨てられた町
そう思い、自分の手をギュッと握りしめた。


「わかるよ」


カエルの言葉が耳に響いた。


「大好きで、もっと一緒にいたいと思った人間から捨てられた気持ちは、俺の方が理解できる」


カエルは真っ直ぐに僕を見てそう言った。


僕はハッと息を飲んでカエルを見る。


カエルを捨てたのは間違いなくこの僕だ。


「物はそれでも仕方がないと思うしかないんだ。感情を表に出す手段がないからな。だけど人間は違う。


大切な縁を自分で作る事もできるし、切ることもできるんだ」


カエルの真剣なまなざしを見ていられなくなって、僕は視線を外してしまった。
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