捨てられた町
積もった腐葉土をまき散らし、木の根に躓きながら転がるようにして走る。


後ろから怪物が近づいてくる気配がして止まることができなかった。


一気に駆け下りて行くと前方に舗装された道が見えた。


一瞬気が緩んだ次の瞬間、僕は木の根に足をとられていた。


走ってきた勢いのまま体が空中に投げ出された。


必死で手足をばたつかせても落下に逆らう事はできなかった。


僕は木々に散々体を打ち付けながら舗装された道に出た。


「いってぇ……」
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