捨てられた町
「だけどこのテレビじゃ接続できるかどうかわからないよ」


僕は白黒テレビを見てそう言った。


「そうなのか?」


「うん。僕は電化製品に詳しくないからわからないけど、このテレビは見たことがないくらい古いからね」


「それは残念だ」


カエルはそう言い、さほど残念そうじゃない様子で再びテレビに視線を戻したのだった。


それから僕たちはニンジンチップスを食べながら夜までだらだらと過ごした。


お腹も空かないし、勉強もしなくていいし。


自分が好きな事だけしていればいいのだ。


僕は時々本を開いて読む程度で、あとはうつらうつらしながら時間を無駄に消費していた。
< 200 / 322 >

この作品をシェア

pagetop