捨てられた町
翌日。


僕は気が付けば眠っていて起きた時は昼が近い時間になっていた。


「よく寝てたな」


一階に下りて行くとカエルがそう声をかけてきた。


「あぁ。うん……」


頭をかきながらそう返事をして部屋の中を見回す。


「本ならあそこだ」


カエルにそう言われて視線をうつすと、キッチンの掃除をしている本の姿があった。


部屋にいなかったからどこに行ったのかと思っていた所だ。


「なにしてるんだ?」
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