捨てられた町
「まぁ嬉しい! それなら他の傘に取られることもないし、安心ね!」


傘はそう言うと、片足でピョンピョンと飛び跳ねながら帰って行ったのだった。


「昨日からなんなんだろうな」


僕はそう呟き、家の中へと入っていた。


カエルはテレビを付けっぱなしで眠っていた。


その姿は人間のオッサンに良く似ていて、2人して笑う。


それと同時に、カエルが目を開けた。


「なんだ、起きてたのか」


僕はカエルを見てそう言った。


「あぁ」


「狸寝入りだったのか」
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