捨てられた町
「それを見ていたのがミサだった」


ネックレスの言葉の後を繋ぐように本がそう言った。


2人の言葉に僕は体から力が抜けていくのを感じた。


抱えていた膝を離し、自分の顔を両手で覆う。


「なんだよ、そんな事が発端で僕はイジメられてたのかよ……」


どうして真琴の気持ちに気づいてあげることができなかったんだろう。


真琴の寂しい気持ちを理解してあげられていれば、こんな事にはならなかったかもしれない。


ミサに関してもそうだ。
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