捨てられた町
思い出したくない出来事を思い出し、知りたくなった情報がどんどん入ってきて僕はとても混乱しているのかもしれない。


「そう。ルキへのイジメは3人が思っている以上に周囲に飛び火してしまったんだ。当人たちがそれを鎮めようとしても、もう無理だった」


「鎮めようとした?」


僕は写真にそう聞き返した。


あいつらがイジメを止めようとしていたなんて、到底信じられることじゃなかった。


「信じられないなら、実際に見てみればいい」


カエルがそう言い、立ち上がった。


「湖へ行きましょう」


ネックレスが、静かな声でそう言ったのだった。
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