捨てられた町
真相
僕とカエル。


本とネックレスと写真。


という5人でぞろぞろと湖へ向けて歩き出していた。


僕たちの前を3人が歩き、僕はカエルと一緒に重たい足を引きずるようにしてその後を付いて行った。


できればこのまま逃げ帰ってしまいたい。


もう、生前の僕を知っている物になんか会いたくなかった。


僕は現実世界から逃げ切ることもできず、こんな中途半端な町に止まっているのだ。


それならいっそ、呼吸が止まってしまえばいいのにとさえ、感じられていた。
< 290 / 322 >

この作品をシェア

pagetop