捨てられた町
家を出る時には夕方近くになっていたから、きっとそのくらいの時間だろう。


「そうみたいね。真琴ちゃんが帰って行くわ」


ネックレスが少し離れた場所で湖面を見ながらそう言った。


どうやらネックレスは真琴の様子を追いかけているようだ。


3人の友人たちが教室から下駄箱へと歩いていると、数人の男子生徒が声をかけて来た。


僕はその男子生徒たちを見て身を震わせる。


こいつらは他のクラスだが、校内でもタチが悪い事で有名になっている。


僕もこいつらには散々嫌な目に遭わされてきたんだ。
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