捨てられた町
どう見ても怯えているのに、両足で踏ん張って田村たちを睨み付けている。


「浩は頑張ってる」


写真がその様子を見て嬉しそうにそう言った。


「ふんっ。どうせ死んじまうんだろルキってやつは」


3人の態度が気に入らないからか、田村はそう言って背を向けた。


『どうせ死んじまうんだろ』


その言葉が頭の中でこだまする。


やっぱり僕は死ぬんだろうか?


あの町にいる事が辛くて自分から車に撥ねられた僕は、もうどこにも居場所なんてないんだろうか。
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