捨てられた町
「じゃぁ、僕はもう行くから」


「あぁ。元気でな」


カエルが片手を上げて見せた。


僕はそれに答えて手を振る。


どうしてあの時、カエルを捨ててしまったんだろう。


そんな後悔が胸に湧いてくるのを感じる。


もう少し大切にすればよかったんだ。


カエルはこんなにも優しいやつだったのに。


僕はその後悔を顔には出さず、ほほ笑んだまま光の中に立った。


瞬間、体が軽くなる。


辛い気持ちが晴れて行き、涙がひいていくのがわかった。


それはとても暖かい空間だった……。
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