捨てられた町
僕はハッと我に返り「こ、こんばんは!」と、返事をする。


恐怖を吹き飛ばすようにできるだけ大きな声を出した。


心臓はドクドクと高鳴っていて、さっきまでとは違う汗をかき始める。


しかし女性がニッコリとほほ笑んだ瞬間、不思議と恐怖心はあっという間に吹き飛んでしまっていた。


そのくらい、目の前にいる女性の笑顔が魅力的だったのだ。


「君の名前は?」


「ルキ。井上ルキです」


「始めましてルキ。あたしはマヤ」
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