捨てられた町
あと数センチでカエルに手が届くという所でカエルが喋った。


「ルキ、迎えに来たぞ」


「うわっ!?」


さっきから聞こえてきているハスキーな声がカエルから聞こえて来て、僕は咄嗟に飛びのいた。


膝に乗っかっていたカエルのオモチャはそのまま落ちるのではなく、ピョンッと飛びのいて地面に着地した。


そして、ゆっくりと僕を見上げたのだ。


クリクリとした大きな目が僕を捕らえていて、バッタのように食べられてしまうんじゃないかと不安になる。
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