捨てられた町
「少し驚きすぎだな」


カエルは呆れたような声でそう言った。


「な、なんで……カエルが……おもちゃが喋って……⁉」


混乱しすぎてまともな言葉を紡ぐこともできなくなってしまった。


僕は目の前の光景に目を白黒させるばかりだった。


「まぁ落ち着け。ルキが気づいている通り俺はオモチャだ。カエルのな」


さも当然のようにそんな事を言った。


「ここはそういう町だ。物がしゃべり、物が歩く。そういう町だ」


「そ、そんなのおかしいだろ⁉」


「おかしいと言われてもそれが事実なんだからどうしようもない。諦めろ」
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