捨てられた町
そう言うと、カエルはニカッと笑った。


強がっているようには見えなかった。


「ねぇ、この町の事をもっと良く教えて」


「お、やっとこれが夢じゃないって気が付いたか」


「まぁね。現実をちゃんと受け止めなきゃダメかなって思い始めてる」


「それはいい事だ。まずここは捨てられた物の魂が集まる【捨てられた町】だ」


「うん。それはもう聞いた。蛇や僕みたいに生き物の魂が迷い込む事があるもの、もうわかった」


「そうか。それなら何が聞きたい?」


「その他のこと、沢山だよ。この町の人たちは何を食べているのか、どうやって暮らしているのか」
< 82 / 322 >

この作品をシェア

pagetop