Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
侑兄は100円ショップじゃなくて、あたしが前から行ってみたいと言っていたインテリアショップに連れていってくれた。
侑兄、覚えててくれたんだ――…
「ぅわあ…この照明かわいい――…」
あたしは目を輝かせてお店に並んでいる商品に次々と飛びついていた。
「100均もいいけど、俺いちおう社会人だし。こう見えて高級指向なんだよ」
だから何でも綾乃が気に入ったものを選んでいいよ、と侑兄は言う。
「そう言われても…」
高校生のあたしにはとてもじゃないけど手が出せない値段の商品が多い。
いくら侑兄がエリート銀行員で貯金をいっぱいしていても、侑兄が稼いだお金だからあたしの独断でぽんぽん選ぶのはやっぱり気が引ける。
それに…
「ウチの子供部屋狭いでしょ? 今どき砂壁だし、押し入れは襖だし、おまけに畳だし。
広くて窓が大きくてフローリングのお洒落なマンションとかだったら何でも映えるのに…。
侑兄はそういうところに引っ越して悠々自適にひとりで暮らしたいとか思わないの?」
「う〜ん…ひとり暮らしはまだいいかな」