Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
「空間デザイナー?」
「住空間やこういった店舗、それから商業空間をね、機能的だったり快適だったりお洒落に演出するのが仕事なのよ?」
「へぇ…」
麻由さんの話に感銘を受けながら
あたしはアイスティーをこくんと飲む。
住空間や商業空間を機能的にお洒落に演出…
そんな仕事があるんだー…
…何だか面白そう。
将来、大好きなインテリアの仕事に携われたらいいなぁ、と思ってたあたし。
麻由さんみたいなインテリアショップのオーナーも素敵だけど
でも“空間デザイナー”っていう仕事も
ものすごくやりがいがありそう。
麻由さんの楽しそうな仕事ぶりやその充実ぶりを見る限り、それは強く思う。
仕事に対して誇りが感じられるし、何より麻由さん自身がきらきらと輝いている。
あたしも。
麻由さんと同じ仕事がしてみたいな――。
ふっと開けた将来の目標。
高校3年の春、いまだ決まってなかった進路に明るい光が射す――。
「侑兄、あたし決めた。」
「え?」
「進学する。」
「進学するってお前…」
あたしは侑兄の目をまっすぐ見つめて
きっぱりと告げる。
「進学して空間デザインの勉強する。
あたしも麻由さんみたいな空間デザイナーになりたい。
将来自分で、いろんなお店をカッコよくプロデュースしたい――…」