Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
――見届けようと思った。
彼女がいつか純白の羽根を広げて大空に羽ばたいていく瞬間まで。
この目で彼女の成長を見守りたいと思った。
「――村瀬さん!!」
表に出てお兄さんの車に乗りこもうとしていた村瀬さんを呼びとめた。
村瀬さんは目を丸くして俺を見る。
「西崎さん…どうしたんですか?」
ゆっくり近づいてポケットから出した履歴書を差し出した。
「これ…」
受け取って顔をあげる。
訳がわからないと言った顔。
村瀬さんがさっき俺に言いたかった言葉。
言わずに飲み込んで笑顔を作ったとき、ぎゅっと胸が締めつけられた。
――どうしてもここで働きたい。
――ここで頑張って働きたい。
切に願うそんな心の声が聞こえた気がした。