Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完



何よ…
ちょっと興味ない分野だっただけじゃない。



膨れっ面で福嶋くんを睨むと
福嶋くんは勝ち誇ったように鼻で笑って
自慢げに組んだ長い脚の上で《皆見店オープンの概要》ファイルを開いた。





…はぁ、ムカつく。
福嶋くんのこういうとこホント嫌い。



福嶋くんは出会った当初こそ
あんな頭の悪そうな身なりをしていたけれど
実は経営学を専攻している大学生だった。



あからさまに中身が伴ってなさそうな外見をしてたくせに世情にはそこそこ通じてる。



そのため今みたいに無知を露呈すると
とたんにバカにされてしまうのだ。



(面接のときにおじさんに連れ去られそうになったときも、おじさんが襟につけていた“弁護士バッジ”に気づいて撃退してくれたしね)








「ふぅん…やっぱそうか…」



ファイルを開くなり福嶋くんが何やらひとりで納得している。

べつに興味ないけど…と思いつつ
あたしもファイルを開いてみることにした。



表紙をめくると1ページ目には5月にオープンする新店舗の広い駐車場と外観のCG写真が載っていて、その下のほうには建設予定地の略図があった。



見ると、新店舗は今度新しくできる複合商業施設内にできることになっていた。





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