Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
――休憩が終わってから、俺は愛車とともに村瀬にある場所に駆り出された。
「こんにちはー♪」
「あ、綾乃ちゃんっ。ごめんね、明日オープンで忙しいときに。裏の搬入口に回ってくれる? すぐに行くから」
「はいっ。行こ、福嶋くん」
村瀬に手を引かれてふたたび店外へ出る。
やって来たのはウチの新店舗から車で約20分という距離にあったインテリアショップ。
ここは、村瀬が感化された空間デザイナーが経営するショップで、村瀬の行きつけらしかった。
今日はここへ、かねてから注文していた新店舗のキッズスペースの収納棚が届いたということで受け取りにきたのだ。
軽に乗ってる村瀬の車じゃ載らないからって荷物の載る俺の車で…
「つか配達してもらえよ、このクソ忙しいときに」
いったん駐車場に停めた車に舞い戻る。
搬入口に車を横付けするために。
「大体向こうのミスでギリギリになったんだろ?」
何でもさっきの美人オーナーが海外に買い付けに行っている間に、留守を任されていた部下の人間に注文したらしいんだけど、そいつの発注ミスでゴタゴタがあって、結局納品がオープン前日ということになったんだそうだ。
明らかにこちら側には非はないのに、何だってこっちがわざわざ受け取りに行かなきゃなんねーんだよ。