Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完



――さかのぼること今から約6時間前。



事の発端は早朝7時にかかってきたノブアキからの電話だった。



『隼人おまえ今日バイト休みだろ? 海行かね? 海!』



『えー…海ィ?』



前日のバイトが23時までで、そのあと大学の先輩と明け方近くまで飲んでた俺は体力的にキツくて誘いを断った。



徹夜開けの目に灼熱の太陽ほど殺人的なものはないしな。



だが…



『もうお前ん家の前に着いたから♪』



『はあ!?』



プップー♪



合図のようにクラクションを鳴らす。



――結局、拒否権なしに迎えにきたノブアキの車に乗って、俺は朝早くから不承不承海に繰り出した。



着いたのは車で約1時間という近場の海。



まだ8時ということもあり人影はまばらだった。



こんな時間に泳ぎにくる奴なんかいねーだろ。



何でこんな時間に来なきゃなんねーんだよ。



『うぃーっす』



車を停めた後、海岸におりて1軒の海の家に入っていくノブアキ。



その後ろを重い身体を引きずりながら黙ってついていく俺。



『何だよここ…知ってるヤツでもいんのか?』



手近にあった準備中のためテーブルにひっくり返してあった椅子を返してどかっと座ると、奥から誰か出てきた。





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