Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
たまたま俺と同じ今日が休みだった村瀬は、高校時代の友達3人とこの海岸に遊びに来ているんだそうだ。
「へぇー隼人とおんなじバイト先なんだー」
焼きそばを手際よく作りながら村瀬に話しかけるノブアキ。
――ジュウゥゥ…
ソースの香ばしい匂いが辺りに立ち込める。
作り方を見とけって言われたけど俺がやってたことと何ら変わらないのに何でか俺が作るとイカスミパスタになるんだよな。
まったくもって謎だぜ。
「隼人はどう? 仕事では村瀬ちゃんに優しくしてくれる?」
「はあ…まあ…」
村瀬が困惑気味に相槌を打つ。
“村瀬ちゃん”って。
ノブアキ、いきなり馴れ馴れしいぞ。
俺がシラケてるといきなりガッと肩を組まれて村瀬に背を向けさせられた。
「何で今まで教えてくれなかったんだよ」
ノブアキが小声で話しかけてくる。
「は? 何をだよ」
「村瀬ちゃんみたいな可愛いコがバイト先にいるってことをだよ?」
「は? 何でいちいちお前にそんなこと言わなきゃなんねーんだよ」
「隼人ぉ、オレとお前の間には隠し事なんてなかったろ? いつも“ホウレンソウ”だったよな? 報告・連絡・相談。ちゃんと言ってくれないと。こーゆー大事なことは」
「はぁ? 知らねーんだけど。つかクソ暑ぃんだからくっつくな!!」
思いきりノブアキの腕を振り払う。
そのままの勢いでノブアキの手はアッツアツの鉄板の上へ――…
「オーマイゴーーーーッ!!」