Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
綾乃≫≫≫1と17
綾乃≫≫≫1と17
高校を卒業して18歳の春。
あたしはデザイン系の専門学校に入学した。
――どんっ☆
「きゃあっ!!」
バサバサバサッ…
「あ、ごめん!!」
廊下の角で出合い頭に誰かと衝突して、あたしの荷物が床に散らかった。
「あ! N●NAじゃんっ。好きなの?」
あたしがぶっちゃけた荷物を拾おうと屈んだ女の子が、あたしが落とした荷物に紛れていた単行本を拾ってぱっと顔をあげた。
当時好きだったマンガの登場キャラに雰囲気がそっくりな女の子、それがミカだった。
「…ぅ、うん」
「アタシも好き。何科?」
「く…空間デザイン科」
「マジで? 一緒じゃん! あたし青山ミカ。よろしく!」
「ぁ…ぇと…む…村瀬綾乃です」
キョドりながら差し出されたミカの手を握った。
「綾乃ちゃんって言うんだ〜…さすがにマンガみたいに名前はおんなじじゃないか(笑)
…あ、ねぇ出席番号は?」
「え…っと、たしか17番」
「アタシ1番。じゃあアタシたちは今日から“イチ”と“ジュウナナ”ってことで!!」
「ええっ!?」
「冗談だよ! あはははは!!」