Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
男前でサバサバした性格のミカと柔弱でのんびり屋さんのあたし。
見た目や性格はまるきり正反対だけど、同じ夢を持つミカとはすぐに親友になれた。
「綾乃〜っ、グラフィック科の広田が綾乃と番号交換したいって言ってんだけど」
ある日の昼下がり…
ミカが学食のテーブルに着いていたあたしのところにやって来て、そう言った。
「ひ、広田くん!? …って?」
「あいつ」
ミカが学食の入口に立っていた2人組の男の子を指す。
向かって右側の男の子があたしたちの視線に気づいて軽く手を振った。
細身で背が高くて、ワインレッドのオシャレ眼鏡をかけたモード系ファッションに身を包んだ男の子。
目が合うなりカッと頬が熱くなって慌ててミカに向き直った。
「だっ…だだだだだめっ///」
「…だよねぇ」
ミカはひとつ溜め息をつくと、広田くんという男の子にバツのサインを送った。
「アタシたちがマンガの登場キャラとカブってない点は、アンタが異常なほど恋愛にオクテってことよね」
「う…」
「まぁいいわ。広田はオススメしない。あいつ見た目“優男”って感じだけど色々良くない噂聞くし」
「良くない噂?」
「合コン三昧。手が早い。飽きっぽい。2股3股疑惑。ケチ。口臭い。……あと水虫」
「みんなヤダ!!」
「あはははは!!!」