Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
「バカっ。こんなトコで悲鳴あげんなっ」
「んーーんーーんーー!!!」
俺に羽交い締めにされて口を塞がれている村瀬はジタバタと暴れている。
「何もしねぇよ! しねぇから! だから騒ぐな!! ちょっとからかってみたかっただけだから」
俺の言葉に村瀬は涙目になりながら、うんうんと頷く。
ゆっくり縛めをほどくと、村瀬はその場に崩れ落ちた。
そう言えばコイツ…腰が抜けやすいんだったな…
ちょっと…悪ふざけが過ぎたか…
ややして村瀬の肩が小刻みに震え出す。
すすり泣く声が聞こえてきた。
「…ヒッ…ク………ヒッ……」
「村瀬…」
泣き出した村瀬のそばに座り込む。
「…ごめん。…その俺…」
「…ヒッ…ク………ヒッ……」
・・・参ったな。
泣かせるつもりはなかったんだけど…
震える肩へとそっと手をのばす。
だが触れる寸前で思い止まった。
――この場合、触れたりすんのはやっぱり逆効果だろうな…
手を引っ込めてかわりに頭を下げた。
「…ごめん……ごめんな村瀬……本当にごめん…」
俺はひたすら謝った。
村瀬が泣き止むまで…
…はぁ。
免疫ねーのはマジで扱いに困る。
めんどくせ・・・