Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
あたしは憧れの助手席に遠慮がちに座ってシートベルトを締めた。
――いつもはこの場所、誰が座っているんだろう。
誰もいないのかな…?
だったら嬉しいけど。
いたらきっと、西崎さんと釣り合いのとれた素敵な女性なんだろうな…
美人で頭が良くて仕事もテキパキこなせて
家に帰れば家事は完ぺき、手料理はプロ級の腕前。
・・・・・
はーー…ムリ。
西崎さんの理想の彼女像に、あたし足元にも及ばない。
あたしなんか美人じゃないし頭も良くないし仕事は遅いし料理も下手くそ。
やっぱりあたしなんかじゃ西崎さんの指定席に座る資格ないよね。
不釣り合いも甚だしいよ。
「村瀬? どうした、顔暗いぞ」
「えっ?」
「緊張してんのか?(笑)」
「い、いえっ。いや、えっとまあ…はい」
「どっちだよ?(笑)」
「えっと、あの…え、ひゃっ」
どぎまぎしていると、
ふいに西崎さんがあたしの右肩あたりの助手席のシートに手をつく。
均整のとれた横顔がすぐ目の前を横切った。
なななななにっ!?(@_@)