Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
ふんわりと、だけど一瞬濃度が濃くなったグリーンノート系の香り。
「お前これ根元からねじれてる」
胸元の、ものすごく近い距離で聞く西崎さんの低い声。
スルッとシートベルトが巻き上げられていって、もう一度しっかり締め直された。
と同時に濃度が薄くなる西崎さんの香り。
だけどあたしは窒息しそうなほど酸素濃度まで薄くなっていた。
び、びっくり、した。
息が、止まるかと思っ、た。
単に…シートベルト、締め直してくれた、んだ。
西崎さんの香りに包まれて、一瞬抱きしめられたような錯覚に陥った。
……ぅ…わぁ…
バクバク、バクバク。
心臓が破裂しそうなほど波打ってる…
目が回ってきた…
どうしよう…あたし…
【窒息物語】が現実になっちゃいそうだよ――