Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完

「ま、窓開けていいですか? な、なんか暑くて」



顔も体も異常なほど火照っているのが分かる。



外の新鮮な空気に触れて少し冷まさないと本社に着くまで正直体が持ちそうにないよ。



「ああ今日はすこし蒸し暑いよな」



西崎さんはエンジンをかけて窓を開けてくれた。



そうしてドリンクホルダーに突っ込んであった眼鏡に手を伸ばして眼鏡をかけた。



その滑らかな動作に思わず見とれちゃったけど…



「あれ? 目って悪かったですか?」



西崎さんがメガネしてるところ初めて見た。



「ああ、この前の免許更新のときに両目で0.7なかったからさ、運転中はしなきゃならない。しなくてもいいけど俺なんかと一緒に死にたくないだろ?」



シルバーのやや冷たい印象を与える眼鏡にそぐわない、いたずらっぽい笑顔を浮かべる西崎さん。



その笑顔も眼鏡姿もハマってて、またまた心臓に大きな波が押し寄せる。







――西崎さんと一緒なら、あたし死んでもいいです。



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