Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
そんなわけであたしは、この春から始めたアルバイトはどれも失敗ばかりでこれといって長続きしたためしがないんだ。
なかでも学生には敷居の低い接客業は特に苦手で、何度も挑戦するんだけど、どれも思い出したくないほど悲惨な失敗をして見事に試用期間中にみんなクビになってくる始末。
そうしてつい3日前にも、たったの2週間でお弁当屋さんをクビになってしまった。
その旨を話すと、ミカは何にも言わずに(毎度のことだから呆れてるのかもしれないけど)あたしから求人誌を取り上げて、あたしでも出来そうな仕事を探してくれていた。
世間知らずなあたしが探すとまたアヤシイお店に応募しちゃってミカ自身が命の縮む思いをするからなのかも。
ずっと前の、ぃぃぃかがわしいお店のときも、途中で気づいて話を聞いていたキャッチの人の目を盗んでメールで伝えたら、バイト中にもかかわらずすっ飛んで来てくれたし。
ミカにはほんと助けられっぱなし。
あたし、ミカがいなかったら今ごろどうなっていたか分からない。
両親にもお兄ちゃんたちにも顔向けできない仕事をしていたかと思うとゾッとする。
できればミカの手を借りずに自分ひとりの力で出来たらなって思うんだけど、
高校を卒業するまで両親もお兄ちゃんたちもあたしを溺愛して甘やかしていたものだから、甘えさせてくれる人がいると、ついついその人に頼ってしまう傾向がある。
――こんなあたし、実際に社会人となったとき、ちゃんとやっていけるのかな??