Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
はぁ…
私生活のことをとやかく言う権利はないけど
副店長がこれじゃ部下に示しがつかないよね。
ここは店長としてひとつガツンと言ってやらなきゃ。
「福嶋く――」
「村瀬。眠気すっきりガムくれ」
あたしの声のトーンに不穏な空気を察したのか、福嶋くんがすかさずあたしの物言いに言葉をかぶせて手を出した。
「…」
…一応、まじめに仕事する気はあるのね。
「…いいけど」
あたしは渋々引き下がって引き出しからガムを出して福嶋くんに手渡す。
「サンキュ」
福嶋くんはガムを口のなかに放り込んで怠そうに上着を脱いだ。
黒のジャケットを脱ぐと下はダークグレーのシャツ。
胸元が大きく開いていて、それがやたらとセクシーで目のやり場にすごく困る。
あたしは堪らず席を立った。