Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完



「MeGÅ Power…流川…店…?」



目の前に差し出された求人誌の数ある求人広告の中で、きれいにネイルアートが施されたミカの人差し指がさす社名を読み上げる。



流川はけっこう学校から近い地名だ。
学校帰りに通うのに便利がいいかも――。



でも。



このお店の名前って――
もしかして…



「…パチンコ屋さん??」



「は?」



一瞬目を丸くしたミカ。



…あれ? この反応、違うのかな?



キョトンとしていたらミカはたまらず吹き出して、バンドマンみたいなツンツン頭を上下に振りながら、学食じゅうに響きわたるくらいの大声で豪快に笑った。



「あはは! 確かに! パチンコ屋っぽい!」



「…パチンコ屋さんじゃないの??」



「なワケないじゃん! アンタにパチンコ屋のバイトなんか勧めたら、あたしアンタのパパに東京湾に沈められちゃうよ!!」



と…東京湾に沈めるって…



「ぅ…ウチのパパはそんな悪い事しないよ」



そりゃ見た目はヤクザっぽいし…

携帯の着信音は“仁義な●戦い”だけど…

でもそれは周囲の反応が面白いからというお茶目な理由で…

外見は怖いけど中身はとっても優しくて家族思いの心のあったかい人なんだから――





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