Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
隼人≫≫≫気に入らねぇ…
隼人≫≫≫気に入らねぇ…
「Ciao〜! ア、ヤーノー、オヒサシ、ブーリー」
キーボードを叩く音と有線の音楽だけが響いていた事務所内に、
突然カタコトの日本語を話す外国人の男が乱入してきた。
背は俺よりも長身で、坊主ヘアーに頬ヒゲがよく似合っているナイスミドルだ。
なんだなんだ?
何事だ?
呆気にとられていると、その外国人を制止しようと付いてきたっぽい川本が…
「ア、アノ、困リマースー。ココハ、関係者イーガイ、立入キンシデース」
ぶっ…
ナゼにお前までカタコトだよ!
ツッコミを入れようとしたとき、
「ベっ、ベルナルドさん!?」
向かいの席の村瀬が外人を見るなり目を剥いて勢いよく立ち上がった。
「きゃっ…」
そんな村瀬を抱き寄せて、ベルナルドという外人は外国流の挨拶であるキスを村瀬の両頬に落とす。
「!」
それを見て思わず俺は腰を浮かした。
「ンーー…会イタカタ」
放心状態の村瀬の頬を両手で包み込み、そのまま唇にまでキスをしそうな雰囲気になったところで…
「すすすみませんっ。ごごごめんなさいっ」
と、どこかで見たことある小男が周囲に謝り倒しながら事務所に飛び込んできた。
「! あ゙っ、お前!!」