Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
「ウチのは俺と結婚したんスよ、村瀬さん」
ふいに背後に立った人の気配にギクリとすると、遥か頭上から嫉妬含みの太い声が降ってきた。
学生時代アメフトの選手だったという花婿はとにかく体格がいい。
身長は190センチ。
目の前に立たれると首の角度を90度にして見上げないと顔が見えない。
「すみません。…お返しします」
花婿に叱られたあたしはしゅんとしたまま花嫁の背中を押しやる。
「早速の返品ありがとうございます」
ようやく自分の手元に戻ってきた花嫁の肩を抱き満足そうに微笑む花婿。
「何よ返品って。不良品みたいじゃない」
そう言って漫才師のごとく花婿の胸をバシッと叩くけど、花嫁の身長は165センチだからお腹にパンチって形になっちゃう。
「おわっ! 何すんだよっ、子供が入ってんのに」
「何言ってんのよバカ。子供が入ってんのはこっち」
そう言って花嫁がお腹を突き出すと…
あーあ…
とたんにその大きな体に似合わずもうメロメロになっちゃうんだよね、花婿は(笑)
…ごちそうさまです(笑)