Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
『きっと飛行機を待ってる間にロビーのベンチに置き忘れてきたのよ』
半べそをかいていたあたしに麻由さんが言った。
ロビーのベンチとか…
あたし、うっかり者すぎる…
ううーーー(ToT)
ヘコんで立ち直れないあたしに麻由さんは『困ったわね』と自分のバッグを探り出した。
『あら、ちょうどいいものがあったわ』
と、バッグから取り出したのはウッドバングル。
アンティークな木目が重厚感たっぷりで、
ひとめ見た瞬間、これ福嶋くんに似合うかも!なんて思った。
『その不運な彼にこれをあげなさい』
麻由さんはクスクス笑ってあたしにウッドバングルを握らせた。
『…でも、いいんですか? 麻由さんの私物じゃ…』
『いいのよ、それメンズだし。
それに一応“純イタリア製”よ――?』