Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
「…福嶋くんの、先輩のことですか?」
「彼から聞いてるの?」
「あ…の、ちょっとだけ。休み明けにとんでもない恰好で出勤してきたことがあって、…訳を聞いたんです」
「そう…、あの恰好は彼の偏見よね」
ユリカさんが思い出しながらクスクス笑う。
「別にお店に出るわけじゃないからあんないかにもな恰好してこなくても」
「で、ですよね」
あたしもあの時は笑いが止まらなかったほどだ。
福嶋くんってそういうのに詳しそうに見えて案外無知なんだよね。
外見とかまんまそうなのに(笑)
「でもそういうところが可愛らしいわ」
「あは…」
年上女性にはウケるのかな、あーゆーの。
「うっかり本名も名乗っちゃうし。そういう警戒心のないところも私の心をつかんだのかも」
何だかユリカさんには福嶋くん…
短い間にあたしの知らない一面を見せていそう。
テンパってる姿とか、照れてる姿とか…
想像するとほほえましい。
やっぱり同い年のあたしと年上のユリカさんとでは見せる態度が全然違うんだろうな。