Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
もともとあんまり社交的な性格じゃなくて、要領だって得意分野以外はよくないものだから、立て続けに接客業の仕事がダメになったことでてっきり自分には向いてない職種なんだって思ってた。
でもミカの言うとおり、あたしが目指す職業には接客が不可欠なんだ。
センスや腕は二の次。
最終的にはデザイナーの人間性を見てクライアントは契約をしてくれるんだ。
確かにそうだよね。
電話1本で、声だけを聞いて、どんなに口が上手くても、じゃあ一切会わずにこの人に全幅の信頼をおいて大事な仕事が任せられるかって言われたら絶対に出来ないし、お金が絡んでくるなら尚更そんなことできない。
やっぱりどんな人間なのか、ちゃんと信頼できる人なのか、直接会って、この目で見て、話して、人間性を見極めた上で仕事を任せたいって思う。
…そっか。
だからミカはあたしが次から次に接客の仕事がダメになっても、あえてまた同じ職種を勧めてくれるんだ。
あたしが将来、夢をつかんだときのことを考えて…。
あたしの為を思って――…。
「……グスッ…」
ミカ…ほんとにいい友達。
あたしにはもったいないくらい。
なんか…涙出てきた。
こうなったら周りにレズって思われてもいい、人目も場所もはばからずにミカに抱きついてしまいたい。
「ミカー――っ…(>_<。)」