Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完



「…アタシの何がイケなかったのかなぁ」



ちびちびと焼酎のロックを呑みながら話す菜月は心底疲れきったように意気消沈していて掛ける言葉も見つからない。



「…だって彼、年収もかなり良かったのよ。それに語学が堪能で4カ国語も操れるし。背が高くて顔もイケメンだったし。性格も紳士的で優しくて…申し分なかったのに」



菜月は背中を丸めてカウンターのテーブルに顔を突っ伏した。



「どれくらい連絡ないんだ?」



「…10日」



「仕事が忙しいんじゃないのか?」



「そうなのかなぁ…」



「きっとそうだよ。忙しくて連絡できないだけだよ」



「…そうだよね。彼もアタシのこと気に入ってるって言ってたし。急に冷めちゃったとか理由が思いつかない」



菜月はむくりと起き上がり一気にグラスの焼酎を飲み干した。





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