Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
ミカとあたしは勉強をかねてウィンドウショッピングをすることが多い。
ウィンドウショッピングと言っても商品を見ることはオマケ程度。
あたしたちにとってのウィンドウショッピングとは、素敵なレイアウトだったり目を引くディスプレイをしているお店を巡ること。
そして『こんな斬新なやり方もあるんだ』と目を肥やして自分たちの感性を磨いていく。
入学してから半年間、たくさんのお店をミカと2人で見て回ってきたけど、あさって面接を受けるお店はそういえば行ったことがない。
「アタシらが今まで見たお店のなかでもベスト3に入るかも」
「え?」
「あさって綾乃が面接を受けるお店」
「ミカ、行ったことあるの?」
「あるよ。アタシ、割り引き券とかポイントカードとか持ってるし。けっこう常連」
「常連でベスト3に入るならどうして教えてくれなかったの?」
「さぁ…何でだろうねぇ。
でも今までアタシがあえてアンタを連れて行かなかったのは、こういう形で出会う運命だったのかもしれないね」
「こういう形で出会う運命?」
ミカが何やら意味深に笑う。
「あさって、バイト決まるといいね――?」
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