Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完





―――どさ…っ…





下になったモノを庇うように…
とっさに着いた両腕が軽くバウンドする。



その際に胸の辺りに何か柔らかいものが当たった。



ごく間近で鼻腔をくすぐるフローラルの匂いはアルコール臭と鬩(せめ)ぎ合っていて…



「……慧ちゃん」



驚きと戸惑いと…



そしてごく淡い期待をにじませたその潤んだ瞳を冷静に見下ろすと…



菜月の長く繊細な指がそっと頬に触れた。







こんなに間近で菜月の顔を見たことなかったけど…





よく見たら…







―――…やっぱり似てるんだな。







広い額とか……

ぷっくりした口唇とか……

眉毛の形とか……

色素の薄いどこか柔和な印象の瞳とか……





当然だよな…










菜月とは…………姉妹なんだから――…







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