Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
『――優花っ、ほらアイス』
『あっ…ありがと♪』
ここからは顔は見えないけど長身の男だってのは分かる。
身長158センチでさらにヒールの高い靴を履いている優花よりも頭1つ分ほど背の高い男。
――誰だろう、アイツ…
俺の知らない奴だ。
優花とどういう関係だ?
2人でなに話してんだ?
優花と何やら親しげにしている男に心のなかで嫉妬心が激しく渦巻く。
2人は川辺に座りこんで楽しげに語り合いながらアイスを食べていた。
それを俺は足に杭を打ちつけられたかのように橋の上から突っ立って眺めていた。
やがてアイスを食べ終わり、2人は同時に立ち上がる。
『!』
優花が慣れない靴のせいでよろめいた。
それをとっさに支える男…
そうして図ったかのように風が吹き、空に舞い上がる優花の帽子――
まるでドラマか映画のワンシーンのように1コマ1コマが俺の瞳と脳裏に強烈に焼きつけられた――…