Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
優花を1人の女として意識したその日から、俺は優花との接し方が分からなくなってしまった。
優花の目を見て話せない。
そっけない態度をとってしまう。
なかでも子供扱いされたときなんかは優花を本気で傷つけてしまったんじゃないかと思うほど怒鳴り散らしてしまう。
俺にしたら優花とのあいだにある隔たりはコンプレックス以外のなにものでもなかった。
――6歳。
それが、俺と優花のあいだにあるどうあったって埋められない隔たり。
1歳や2歳の差なら体格的にも精神的にもほとんど変わらない。
だけど6歳もの年の差があると、優花から見れば俺なんか体格的にも精神的にも本当に子供で…
絶望的なまでに恋愛対象として見られない。
俺では、優花と釣り合わない。
俺では、年上の優花を金銭的にも精神的にも支えてやれるはずがない。
悔しくて歯がゆくて苦しくてもどかしくて…
優花がどんどん大人になって綺麗になっていくのを、俺は気持ちを押し殺して黙って見ているしかできなかった。