Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
3人の弾けるような笑顔を見て胸がきゅっと締めつけられる。
――もう二度と、こんなふうに笑えない。
目を閉じるとまぶたの裏に鮮明によみがえる記憶。
『――慧ちゃん』
太陽の光に反射して、キラキラ輝く艶やかな髪をなびかせて…
『――慧ちゃん』
ふわふわの白いワンピースを翻して…
『――慧ちゃん』
屈託のない眩しい笑顔を振りまいて…
『――慧ちゃん』
菜月のものじゃない、穏やかで優しい声が胸いっぱいに染みわたる。
「優花…」
写真の君に触れても君の温度は指先には伝わらない。
「優花…」
君の温度はどんなだった?
「優花…」
君は陽だまりのようにあたたかかった?
「優花…」
もう君の温度が思い出せないよ――…
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