Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完



優花としばらく会えなくなる。



それは、両親と離れ離れになったときの寂しさによく似ていた。



両親が離婚して祖父母の家に身を寄せてから、7年という長い年月を優花と過ごした。



日が暮れるまで毎日いっしょに遊んだ。



花火を見に行ったのも、お祭りに行ったのも、遊園地に行ったのも。



両親とじゃない、みんな優花が初めてだった。



初めて頬をひっぱたかれたのも、初めて抱きしめられたのも優花だった。



みんなに黙って学校の友達と台風で増加した川を見に行った帰り、心配して捜しに来てくれた優花に怒鳴られ、頬を叩かれ、そうしてぎゅっと抱きしめられた。



あの時、本気で心配した、と俺のために泣いてくれた優花を思うと今でも胸が苦しくなる。





あれ以来、優花を絶対に泣かしたりしないと心に決めた。





決めたはずなのに…





なのにどうして俺は…





優花を泣かせるようなことをしてしまったんだろう…





優花の笑顔を、永遠に写真のなかに封じ込めてしまったんだろう――…












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