Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完



「…本物なんですね、これ」



最近流行りの精巧に作られたフェイクグリーンかと思ったけど、近づいて見たら本物だった。



しかも葉っぱには埃がひとつも付いていないほど丁寧に手入れされている。



昨日、小早川さんのオフィスにあった無惨に枯れ果てた観葉植物とは大違いだ。



「こんなに大切にしてもらえて…名前のとおり幸せですね、この木」



生き生きと鮮やかな色に輝いている葉っぱを撫で撫ですると、傍らに西崎さんもしゃがみ込んだ。

愛おしいものを見るような目で幸福の木を眺める。



「…自分が幸せだと、世話人は幸せにしてもらえないのかな」



寂しげにつぶやく西崎さん。



「この木は、ある人からのもらいもの……いや…違うな、正確には、その人が育てられなくなったから俺が引き取ったんだ」



「え…」





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