Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
「知ってるか? 幸福の木って花が咲くんだ」
「花が咲くんですか? この木…」
「…うん」
西崎さんの話によると、白い小さな花が、夜になると甘い香りを放って咲くらしい。
夜にしか咲かない花だなんて神秘的だなぁ…
「…見てみたいな、一度」
どんな花が咲くんだろう。
「見せてやりたいけど、これがなかなか咲かないんだ、俺が引き取ってから」
西崎さんが力なく笑う。
「…前に育てていらっしゃった方は、咲かせることができたんですか?」
「1回だけな」
「すごーい。きっとたくさん愛情をあげてたんですね」
「…何だよ、それじゃ俺が愛情かけて育ててないみたいじゃないか」
西崎さんが子供みたいにちょっとむくれる。
そんなトコ今までに見たことがなかったから焦った。
「あ、いや、違うんです。そういう意味じゃなくて」
「じゃどういう意味だよ?」
ぅ…。
ジロッと睨まれてあたしは縮こまる。
どうしよう(汗) どうしよう(汗)
西崎さんを怒らせちゃった…
どうしたらいいのっ??