Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
「彼氏じゃなくて悪かったな」
「え?」
「最初に乗った相手が俺で」
「…福嶋くん」
きっとこの観覧車に一緒に乗る相手は…
村瀬が毎日のように夢見てた相手は…
俺なんかじゃなく、―――西崎さんのほうだったんだろう。
まっすぐ村瀬の目を見つめると、村瀬は気まずそうに下を向いた。
――コイツの頭ん中は、いつだって西崎さん一色。
西崎さん中心に世界は回ってる。
――自分の夢もあきらめてしまえるほどに…
この靴だって…
『――こんなヒールの高い靴なんか履いてくるから転ぶんだろ』
『…だって――』
昨日、旅行用に買った靴を慣らしておくために早速今日おろしたんだと言っていた。
ヒールが高めなのは……
背の低い村瀬が、背の高い西崎さんと並んでも釣り合いがとれるように…
すべては西崎さんのため。